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「脾(ひ)」が弱いから ひよわ・・・・
2017.08.22 カテゴリー:未病と漢方 研修会、学び 講演
秋田の漢方相談
山王けやき薬品・飯田です。
先週日曜日、漢方薬の講習会で盛岡に行ってまいりました。
盛岡は、秋田より涼しく、夏の盛岡はいつも暑いイメージがしましたので少し意外な感じがしました。
また、太平洋岸の八戸から受講した方に至っては、
「八戸は涼しいじゃなくて、寒いよ」との事。
反面、秋田は先程まで土砂降りでしたが、それでも気温は30℃をちょっと下回った程度でまだまだ夏。
残暑は厳しいですが、夏好きとしては少し嬉しくもあります。
先週日曜日の講義のテーマは
「タイプ別脾胃を強める養生法」
講師の先生は、愛知から来てくださった高名な漢方の先生で、本当に勉強になりました。
参加してよかったです。
脾胃(ひい)とは、
中医学/漢方では
「胃腸を含む消化器系全般」をさし、
「後天の本(もと)」と言われています。
「後天の本(もと)」とは、
脾胃(胃腸を含む消化器系全般)が食べ物を消化吸収、分解してエネルギーになる事を意味し、
脾胃(ひい)の働きが低下は、エネルギーの不足につながります。
脾胃(ひい)の働きが悪くなると、
心身の疲労
食欲不振
胃もたれ
下痢
便秘
免疫低下
不眠
などなどからだの悩みへとつながり、
いくら栄養のあるモノを食べても、漢方薬をのんでもなかなかなおらない状態になります。
ですから、昔から「脾(ひ)」の弱い人の事を、「脾弱(ひよわ)」と呼ぶんですね。
脾胃(ひい)を強くする漢方薬としては、
当店でもよく使う、「健脾散(けんぴさん)」を使った症例や
山査子(さんざし)
麦芽(ばくが)
神麹(しんぎく) <小麦、フスマ、シソなど混ぜて発酵させたモノ>
など配合の「昌三仙(しょうさんせん)」(漢方サプリ)を使った症例について紹介されました。
「いろいろ薬も試したが、昌三仙を2、3包飲むのが一番よく眠れる」
「寝る前に昌三仙を飲んだら、歯ぎしりがすぐよくなった」
「口の周りのニキビが健脾散で改善した」
など、一見、脾胃(ひい)と関連が無さそうな症状が改善されたお客様のお声も紹介され、
とても興味深く講義を聞きました。
今回の 学びが少しでもお客様のお役に立てれば幸いです。
お気軽にご相談ください。
それって、腎虚(じんきょ)ぽいですね
2017.08.19 カテゴリー:亀鹿仙 漢方効き目いろいろ 漢方薬
秋田の漢方相談
山王けやき薬品の飯田です。
今日も暑いですが、朝夕は秋を思わせるような涼しさになってきたお盆明けの秋田。
温度差が大きくなり、体調を崩しやすいこの時期、くれぐれもお体にお気をつけください。
つい先程もお客様とお話ししましたが、
「それって、腎虚(じんきょ)ぽいですね」とか、
「漢方で考える腎(じん)は、おしっこを作る腎臓とはちょっと違うんです」など
腎(じん)に関するお話をする機会が多いです。
ただ、腎についての説明を難しく感じる時もあり、今日は、腎(じん)についてブログを書きたいと思います。
まず、漢方で「腎」は、単に腎臓の事をさすのではなく、
骨や歯の形成、髪、泌尿器、生殖機能(男女とも)、ホルモンの分泌、睡眠も含めた脳の働き、耳までと
もの凄く幅広く機能するものととらえます。
整理するつもりが、いきなり書きすぎた感がありますが、「腎」は本当に幅広い働きをしています。
ですから、お客様とお話をしていると、
「それって腎虚から来てる症状では」と頻繁に感じます。
腎虚(じんきょ)とは、腎のはたらき弱まっている状態。
腎のはたらきが弱くなり、腎虚(じんきょ)になると
>骨や歯の形成 → 骨粗しょう症、下半身のだるさ、発育不全
>髪 → 薄毛・白髪
>泌尿器 → 頻尿・夜間尿・尿漏れ
>生殖機能 → 不妊、精力減退、
>ホルモンの分泌 → 生理不順、更年期、男性更年期
>睡眠も含めた脳の働き → 不安、不眠、免疫低下
>耳 → 耳鳴り・難聴
など、
本当に相談の多いからだの悩みがずらりと並びます。
病院で受診したものの、異常はないと診断を受けながらも、実際には、からだの不調で悩まれている方も多いですが、この「腎(じん)」の働き、「腎虚(「じんきょ)」が念頭にあるとつじつまが合って腑に落ちる事が多くあります。
また、漢方には
腎の力を補う=補腎(ほじん)
と言う考え方があり、補腎の漢方薬がたくさんあります。
「もしかして私も腎虚」
ご心配な方は、お気軽にご相談ください。
お体の状態にあった補腎の漢方薬をご提案いたします。
(代表的な処方)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん) 目に良い漢方薬
瀉火補腎丸(しゃかほじんがん) ノボセ、ホテリ
八仙丸(はっせんがん) 頻尿、夜間尿
亀鹿仙(きろくせん) 精力減退、卵巣機能低下、シミ・しわ、ホットフラッシュ、からだの潤い不足
参茸補血丸(さんじょうほけつがん) 冷え、生理不順
参馬補腎丸(じんばほじんがん) 冷え、倦怠感
至宝三鞭丸(しほうさんべんがん) 冷え、精力減退、肉体疲労
ストレスと生理不順
2017.08.02 カテゴリー:うつ 女性特有のお悩み 心の不調 研修会、学び
秋田の漢方相談
山王けやき薬品・飯田です。
朝出勤すると、駐車場の隅に竿灯祭りで使う子供用と思われるミニ山車が置かれておりました。
夏の秋田の風物詩、竿灯まつりが明日からはじまります。
先週日曜日、当店でもご愛用のお客様の多いサプリメント「ワタナベオイスター」の研修会に参加してまいりました。
ワタナベオイスターの製造メーカーは、 鉄、亜鉛、セレンなどミネラルとからだの結びつきについて様々な研究を継続して研究している会社。真摯な研究姿勢、包み隠さず発表される研究結果に敬意を表します。
今回の研究発表のテーマの一つは
『ストレスによる卵巣への影響』。
私もよくお客様に
「ストレスは容易に生理不順をまねきますよ」
と申し上げておりますが、
その事を深く掘り下げて研究発表してくれました。
(以下 飯田のノートより)
肉体的ストレス・精神的ストレス
↓
視床下部より 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が放出される。
↓
CRHの放出は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)過剰分泌を誘発
↓
ACTHの過剰分泌は、副腎皮質よりコルチゾールが分泌される。
コルチゾールというホルモンが副腎皮質より多量に分泌されると、
うつ症状や精神疲労になりやすいので、
コルチゾール=ストレスホルモン
ストレスホルモンとして知られる、コルチゾンは上記の様に産生され、
視床下部 → 脳下垂体 → 副腎皮質
その過程をHPA軸と呼ぶ。
HPA軸の亢進(活発化)は
視床下部よりのGn-RH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌を抑制
↓
視床下部よりのFSH,LHの分泌抑制
↓
卵巣内の卵胞発育抑制
↓
エストロゲンの分泌が足りない → LHの分泌不調 → 排卵不調
黄体ホルモンは卵胞から排卵後、黄体化し黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌するから
ストレスによるHPA軸の亢進(活発化)は、
卵胞の発育不調、排卵障害、黄体機能不全の原因となる。
(以上 飯田のノートより)
ノートの一部を書かせて頂きました。
お読みになった方には、「なんのこっちゃ」とお思いの方もおいでになるでしょうが、
ストレス(肉体的・精神的)による
生理不順、排卵障害、黄体機能不全になるメカニズムについて、
頭の整理がついて、スッキリ。
研究発表ありがとうございました。
ストレスを強く感じる、生理不順が気になる、生理前が辛いなどのお悩みの方への相談の参考とさせて頂きます。