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子宮内フローラと漢方のチカラ!40代からの妊活をサポートする体づくり

40代からの妊娠準備:子宮内フローラと漢方で、赤ちゃんを迎える体づくり

こんにちは
秋田の漢方相談、山王けやき薬品の飯田です。

今回のブログは、「40代でも、赤ちゃんを諦めたくない!」そう願うあなたへ。これまで「原因不明」とされてきた不妊の原因が、実は「子宮内フローラかも?」「その漢方アプローチ」と言うテーマで書かせて頂きます。

妊娠に向けた体づくりは、単に治療を受けるだけでなく、ご自身の体の声を聴き、内側から整えることがとても大切です。


子宮内フローラって何?新しい不妊治療の視点

腸には「腸内フローラ」があるように、実は子宮の中にも、たくさんの「常在菌」が暮らしていて、これは「子宮内フローラ」とよばれます。かつて子宮は無菌だと考えられていましたが、最新の研究では、この子宮内の常在菌のバランスが、妊娠に深く関わっていることが話題となっております。

特に重要なのが、「ラクトバチルス」という善玉菌。ラクトバチルスがたくさんいると、子宮の中が弱酸性に保たれ、赤ちゃんを迎えるのに有利な環境になったり、悪い菌の増殖を抑えたり、子宮内の炎症を鎮めたりする働きがあります。

逆に、ラクトバチルスが少ないと、子宮内のバランスが崩れ、炎症が起きやすくなったり、受精卵が着床しにくくなったりすることが指摘されています。


現代医学での子宮内フローラへの対応

ご自身のフローラの状態を知るには、「EMMA検査」という検査があります。これは、子宮内膜の一部を採取して、どんな菌がどれくらいの割合でいるのかを詳しく調べることができます。

もし、検査の結果で悪玉菌が優勢な状態が確認された場合、現代医学では以下のようなアプローチがございます。

  • 抗生剤治療: 優勢となっている悪玉菌を標的にした抗生剤を投与し、菌の量を減少させる
  • プロバイオティクス補充: ラクトバチルスなどの善玉菌を主体としたプロバイオティクス(経口または膣剤)を投与し、善玉菌の定着を促す
  • ラクトフェリンの使用: 抗菌作用や免疫調節作用を持つラクトフェリンが、子宮内環境の改善に有効

これらの治療により、子宮内の微生物バランスを直接的に整え、着床に適した環境を作ることを目指します。


古くて新しい知恵、「漢方」による子宮環境の整え方

こうした「目に見えない子宮の環境」に注目してきたのは、実は西洋医学だけではありません。漢方では古くから、女性の体において「血の巡り」「冷え」「体の潤い」が妊娠にとって非常に大切だと考えられてきました。

漢方では、子宮内フローラの乱れも、これらの体の「巡り」や「バランス」の乱れと深く関係していると捉えます。例えば、血液の流れが滞る「瘀血(おけつ)」の状態では、子宮に不要なものが溜まりやすく、炎症が起きる原因になることも。また、体を温める力が足りない「冷え」があると、ホルモンバランスが崩れて子宮の働きが弱まることもあります。さらに、胃腸の調子が悪い=「脾虚(ひきょ)」の状態だと、体全体の栄養吸収や免疫力が低下し、子宮の環境にも影響を「与える可能性が。

このような体質の乱れを改善するために、漢方では一人ひとりの状態に合わせた様々な生薬を組み合わせた処方を用います。具体的には下記の様になります。

  • 子宮の血流を促し、炎症を鎮める漢方:
    血の滞りを改善し、子宮内の炎症を穏やかにすることで、内膜の環境を整えることが期待されます。血を補い、体の巡りを良くすることで、子宮への栄養供給をスムーズにし、内膜の質を高める助けとなるでしょう。冷えや貧血傾向がある方にもよく用いられます。
  • 体の冷えを改善し、ホルモンバランスを整える漢方:
    体を内側から温め、血行を促進することで、乱れがちなホルモンバランスを整えることを目指します。特に冷えが強く、月経不順や妊娠を望む女性に用いられ、子宮本来の機能回復をサポートします。
  • 腸や脾の働きを整え、
    間接的にフローラをサポートする漢方:
    胃腸の調子を整え、食欲不振や消化不良を改善することで、全身の栄養状態と免疫力を高めます。腸と子宮は密接に関わっているため、腸の機能を改善することが、結果として子宮内フローラのバランス改善にも良い影響を与えると期待されています。また、体のエネルギーを補い、疲労回復や抵抗力の向上に働きかけることで、子宮環境を整え、抵抗力を高める助けにもなります。

これらの漢方薬は、直接的に善玉菌を増やすわけではありませんが、子宮や体の「土台」を整えることで、善玉菌が定着しやすい環境を作り、結果的に子宮内フローラの良いバランスへと導くことが期待されます。漢方で体質を整えることで、赤ちゃんを迎えやすい、健やかな子宮環境へと繋がっていくのです。


現代医学と漢方医学の「いいとこどり」がポイント

子宮内フローラへの現代医学的なアプローチと、漢方による体質改善は、実はとても相性が良いんです。

西洋医学で直接的に子宮内フローラのバランスを整えつつ、漢方で体質そのものを改善することで、より持続的に、そして根本から妊娠しやすい体へと導くことができます。例えば、漢方で子宮の血流が良くなれば、善玉菌も活動しやすくなり、その定着をサポートしてくれるでしょう。

40代からの妊娠準備は、ご自身の体とじっくり向き合う、大切な時間です。新しい可能性を取り入れながら、あなたのペースで、赤ちゃんを迎える体づくりを進めていきましょう!

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