まっこ徒然ブログ リターンズ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) 漢方で考えると
2015.11.05 カテゴリー:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の漢方対応 婦宝当帰膠 子宝・妊活と漢方
昨日に続き、
澄み渡るような秋晴れの秋田。
爽やかなお天気でしたね。
昨日、ご相談を頂きましたお客様は、
多嚢胞性卵巣症候群
PCOS
と診断さたお客様でした。
お子様をご希望されておられますので、
排卵を阻害する多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は大きな問題と言えるでしょう。
そして、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の相談は、
少なく有りません。
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)とは?
多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome)
卵巣被膜下に10mm以下の発育を止めた小卵胞が多数存在する状態です。
(いわゆるネックレスサイン)
発育をやめたある程度の大きさの卵胞は、
被膜肥厚を引き起こし
(卵巣の壁についてしまい卵巣の膜が厚くなる)
排卵の妨げとなります。
また、多数の小卵胞の存在はホルモンのアンバランスを引き起こし、
これも排卵を阻害する原因となります。
『日本婦人科学会』の
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)の診断基準を引用すると
>PCOSの診断標準
>(日本産科婦人科学会・内分泌委員会,2007 より引用)
以下引用
↓ ↓
1:月経異常(無月経, 稀発月経,無排卵周期)
2:多嚢胞性卵巣(ネックレスサイン)
3:血中男性ホルモン上昇(アンドロゲン)
4:LH高値かつ、FSH正常
↑ ↑
以上引用
また、PCOSを疑われるお客様から良く伺う
その他の内分泌異常では、
「LH > FSH」
「AMH が高い」
「インシュリン抵抗性がある」
などがあります。
インシュリン抵抗性ってなに?
そして、よくお客様から質問されるのが、
> インシュリン抵抗性てなに?
> この『HOMA-IR』ってなに?
などです。
まず、インスリン抵抗性があると言う事は、
「インスリン抵抗性が有る」 → 「インスリンの作用が弱い、効かない」
事を意味し、
普通、「2型糖尿病になりやすいのでは?」
との判断基準に使います。
ただ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)との相関も指摘されており、
「メトホルミン」など経口血糖降下薬が病院より処方される事も少なく有りません。
さらに、インスリン抵抗性と「卵の質」の相関を指摘する論文もあります。
>『HOMA-IR』??
インシュリン抵抗性については、いろいろな指標が有るようですが、
HOMA-IR(ホーマーアール)は、インスリン抵抗性を測る数値の一種です。
HOMA-IR=空腹時インスリン値(μU/ml)× 空腹時血糖値(mg/dl)÷405
との数式で導かれ
手元の資料を確認すると、
『 HOMA-IR(ホーマーアール)』が
2.5以上で
『インスリン抵抗性あり』と診断される事が多いそうです。
いずれにしても、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は複雑な病態といえます。
病院での多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療
病院での多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療としては、
(薬物療法)
クロミフェン療法(CC クロミッドなど)
クロミフェン+メトフォルミン
ゴナドトロピン
※ 挙児希望の無い場合、カウフマン療法や低用量ピル など
(手術療法)
何種かの手術方法があるそうですが、
最近は腹腔鏡手術の発展により、腹腔鏡下手術(ラパロ)で「腹腔鏡下卵巣焼灼術」が行われる様になっております。
腹腔鏡下手術(ラパロ)は、開腹手術より、
手術が体に与える、組織の破壊、出血などのリスクが低いと思われますし、
手術後、半年から1年程度、症状が抑えられるそうです。
ただ、効果が一時的、卵巣の癒着による卵巣機能低下を懸念するドクターもおられます。
(体外受精)
挙児希望の場合、 体外受精をすすめられる事も多いです。
(生活指導)
ま肥満をともなうPCOSの場合、ダイエットや運動などが推奨されます。
漢方で考える
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
漢方的弁証では、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の体質の根本を、
「痰湿(たんしつ)」「瘀血(おけつ)」体質と考えます。
痰湿(たんしつ)とは?
新陳代謝が悪くて、余分な水分や脂肪が停滞している状態です。
舌の状態の特徴は
厚いベトベトの舌苔(したごけ)に覆われていて
寒熱で、
熱タイプ(白い舌苔)
寒タイプ(黄色い舌苔)
などあります。
瘀血(おけつ)とは?
血のめぐりが悪く、血が停滞している状態で、
この『瘀血(おけつ)』が卵巣付近に停滞する事で、卵巣の膜を硬くし排卵の妨げとなります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
漢方薬対策
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対する漢方薬の対応としては、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の体質の根本を「痰湿(たんしつ)」「瘀血(おけつ)」と考える事から、
化痰・利湿(痰湿を取り除く)
瘀血を改善
などの漢方治療のをベースに考えます。
具体的には、
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう) → 血を増やしながら
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついん) → 活血(気血の巡りを整える)
シベリア霊芝 → 痰湿を取り除く 免疫調整
などをベースに
〇 冷え・BBT低め・男性ホルモン正常・寒症舌
〇 暑がり・BBT 高め・男性ホルモン高値・オリモノ少ない・陰虚舌
〇 -肥満・卵巣腫れ・インシュリン抵抗性 ↑・オリモノ多い・痰湿舌
〇 イライラが強い・プロラクチンが高い・BBTギザギザ・肝鬱舌
などなど、
上記の様な特徴も踏まえつつ
ご相談をお受けしております。
病態や病因が複雑で治療が難しい病気ですが、
少しでもお役に立てます様にご相談をお受けしております。
お気軽にご相談ください。
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