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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) 漢方で考えると

秋田の漢方、女性のお悩み相談
山王けやき薬品・飯田です。



 昨日、ご相談を頂きましたお客様は、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
と診断さたたお客様、お子様をご希望されておられますので、排卵を阻害する多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は大きな問題と言えます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の相談は、少なく有りません。

多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)とは?


文書名 _PCOS 201407 王愛延


多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome)

 卵巣被膜下に10mm以下で発育を止めた小卵胞が多数存在する状態です。

(いわゆるネックレスサイン)

発育をやめたある程度の大きさの卵胞は、
被膜肥厚を引き起こし

(卵巣の壁についてしまい卵巣の膜が厚くなる)

排卵の妨げとなります。

さらには、多数の小卵胞の存在はホルモンのアンバランスを引き起こし、これも排卵を阻害する原因に。

『日本婦人科学会』の
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)の診断基準から引用すると

>PCOSの診断標準

※(日本産科婦人科学会・内分泌委員会,2007 より引用)

以下引用

 1:月経異常(無月経, 稀発月経,無排卵周期)

2:多嚢胞性卵巣(ネックレスサイン)

3:血中男性ホルモン上昇(アンドロゲン)

4:LH高値かつ、FSH正常

 ↑ 

 以上引用

 

また、PCOSを疑われる方の
ホルモン分泌異常では、

「LH > FSH」

「AMH が高い」

「インシュリン抵抗性がある」

 などがあります。


インシュリン抵抗性ってなに?


そして、よくお客様から質問されるのが、

> インシュリン抵抗性てなに?

> この『HOMA-IR』ってなに?

などです。

まず、インスリン抵抗性があると言う事は、

インスリン抵抗性が有る → インスリンの作用が弱い、効かない

可能性が想定され

「2型糖尿病になりやすいのでは?」
との判断基準に使います。

ただ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)との相関も指摘されており、
「メトホルミン」など経口血糖降下薬が病院より処方される事も。

さらに、『インスリン抵抗性』と『卵の質』の相関を指摘する論文もあります。


>『HOMA-IR』??

インシュリン抵抗性については、いろいろな指標が有るようですが、
HOMA-IR(ホーマーアール)は、インスリン抵抗性を測る数値の一種です。

HOMA-IR=空腹時インスリン値(μU/ml)× 空腹時血糖値(mg/dl)÷405

との数式で導かれ

一つの指標として

『 HOMA-IR(ホーマーアール)』が

2.5以上で

『インスリン抵抗性あり』と診断される事が多いそうです。

 いずれにしても、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は複雑な病態といえます。

 

病院での多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療

病院での多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療としては、

 (薬物療法)

 クロミフェン療法(CC クロミッドなど)

クロミフェン+メトフォルミン

ゴナドトロピン

 ※ 挙児希望の無い場合、カウフマン療法や低用量ピル など

(手術療法)

何種かの手術方法があるそうですが、
最近は腹腔鏡手術の発展により、腹腔鏡下手術(ラパロ)で「腹腔鏡下卵巣焼灼術」が行われる様になっております。
腹腔鏡下手術(ラパロ)は、開腹手術より、手術が体に与える、組織の破壊、出血などのリスクが低いと思われますし、手術後、半年から1年程度、症状が抑えられるそうです。

ただ、効果が一時的、卵巣の癒着による卵巣機能低下を懸念するドクターもおられます。

(体外受精)

 挙児希望の場合、 体外受精をすすめられる事も多いです。

(生活指導)

 肥満をともなうPCOSの場合、ダイエットや運動などが推奨されます。

 

漢方で考える
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

漢方的弁証では、

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の体質の根本を、

「痰湿(たんしつ)」「瘀血(おけつ)」体質と考えます。

痰湿(たんしつ)とは?

新陳代謝が悪くて、余分な水分や脂肪が停滞している状態です。

舌の状態の特徴は

厚いベトベトの舌苔(したごけ)に覆われていて

寒熱で、

熱タイプ(白い舌苔)
寒タイプ(黄色い舌苔)

などあります。


瘀血(おけつ)とは?

血のめぐりが悪く、血が停滞している状態で、
この『瘀血(おけつ)』が卵巣付近に停滞する事で、卵巣の膜を硬くし排卵の妨げとなります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
漢方薬対策

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対する漢方薬の対応としては、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の体質の根本を「痰湿(たんしつ)」「瘀血(おけつ)」と考える事から、

化痰・利湿(痰湿を取り除く)

瘀血を改善

などの漢方治療のをベースに

〇 冷え・BBT低め・男性ホルモン正常・寒症舌

〇 暑がり・BBT 高め・男性ホルモン高値・オリモノ少ない・陰虚舌

〇 -肥満・卵巣腫れ・インシュリン抵抗性 ↑・オリモノ多い・痰湿舌

〇 イライラが強い・プロラクチンが高い・BBTギザギザ・肝鬱舌

などなどの特徴も踏まえつつ
ご相談をお受けしております。

病態や病因が複雑で治療が難しい病気ですが、
少しでもお役に立てます様にご相談をお受けしております。

お気軽にご相談ください。

どうして更年期太りに…?

秋田の漢方、女性のお悩み相談
山王けやき薬品・飯田です。

更年期障害は加齢に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の分泌減少が原因の不定愁訴、本当に様々な症状が発現します。

更年期障害にまつわる諸症状としては
 
【自律神経の乱れ】

発汗、ほてり、ホットフラッシュ、動悸、冷えのぼせ

【血行障害による症状】

肩こり、頭痛、手足の冷え、手足の痺れ、血圧上昇、動脈硬化

【精神神経症状】

不安、イライラ、落ち込み、焦燥感、不眠

【その他エストロゲン分泌低下にまつわる不調】

性欲減退、膣の乾燥、精交痛、髪のツヤがなくなる、薄くなる、体重増加



どうしてコレステロールが上がったの?
え、体重が…

上記の様に、様々な症状が出る更年期ですが相談で多いのが

「なにをやっても痩せない…、更年期太りかしら?」
と言うモノ

今まで体重で悩んだこともないのに、さらには食事に注意して、運動習慣もあるのに体重が増加傾向と言う悩み。
悔しそうに相談される方も…

コレステロール、中性脂肪と体重

コレステロールや中性脂肪など血中の脂肪は、男女問わず、ある一定の年齢を超えると、基礎代謝が低下し脂肪を燃焼しにくくなり溜まりやすくなります。
コレステロール、特にLDL(悪玉コレステロール)の増加は動脈硬化を引き起こし、血圧が上がる原因にもなりますし、LDLの増加は、HDL(善玉コレステロール)の生成を減らしたり、中性脂肪の増加の一因となり、中性脂肪の増加は皮下脂肪、内臓脂肪増加などの直接的な要因になります。

女性ホルモンと体重の関係

さらに更年期の女性の場合は、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌低下状態にありますから、エストロゲンの原料たるコレステロールの血中濃度は否応なく上昇傾向となり、動脈硬化、中性脂肪増加の増加につながり、体重増加、体型の変化に…

女性らしさ、女性の美しさ、女性の健康維持などと深い関係があるエストロゲンですが、体重、体型とも大いに関係が有ります。

更年期太り漢方的対応

 コレステロールや中性脂肪の上昇を、漢方では血流が低下する『お血』と見なします。また、更年期はストレスコントロールやメンタルを安定させる五臓の『肝(かん)』の機能が低下、ストレス過多『気滞(きたい)』になりやすいです。さらに皮下脂肪や内臓脂肪を『痰湿(たんしつ)』と漢方では呼びます。

そして、漢方医学では

お血 → ネバネバ血、血流低下
気滞(きたい)→ ストレス過多
痰湿(たんしつ)→ 体に中の余分な水分

この3要素が肥満の原因と考えますから、

それら要素が絡み合う更年期太り侮れません。

  • お血を改善
  • ストレスを改善する
  • 痰湿を取り除く

などの漢方薬や生薬を食事や運動にあわせて取り入れる事もダイエットに繋がります。

どうぞお気軽にご相談ください。

漢方で妊娠に一歩でも近づけたら

秋田の漢方、女性のお悩み相談
山王けやき薬品・飯田です。

「漢方で妊娠に一歩でも近づけたら」

多くのお客様からご相談頂くテーマです。



【漢方的妊娠力アップ 3つのポイント】

漢方における「妊娠力アップ」のポイントを3つにしぼると

1:『血(けつ)』を増やして巡りをよくする

2:『腎(じん)』をいたわる

3:『陰陽(いんよう)』のバランスを整える

などがあげられます。

>血を増やして巡りをよくする

『血(けつ)』は、
心身のエネルギー:『気(き)』
体の潤い:『水(すい)』
身体を構成し、全身を巡る『気・血・水』の3つの重要要素の一つで、

 「血(けつ)」は、
『血液そのモノ』に併せて、『血液の体の末端まで、栄養や熱、ホルモンを届ける』などの働きも含めた総称。

『 血の不足』・『血の巡りの低下』は
卵胞発育、子宮内膜の 肥厚化、さらには排卵、着床までマイナスの作用を及ぼします。

 >腎をいたわる

漢方で『腎(じん)』とは、
ホルモン分泌や生殖、精力などを主る臓腑と考えられ、「腎」の働きが悪くなると「妊娠力」の低下につながります。そして「腎」は、ストレス、過労、加齢などでダメージを受けやすく、

年齢による妊娠力低下の根本は、

腎の働き低下=腎虚(じんきょ)にあります。

>陰陽のバランスを整える事 

また、漢方で
「陰陽(いんよう)」とは、

寒と熱
暗と明

 など、
「からだを含めたすべての事象では、相対する物事で構成される」と考える漢方特有の考え方で、陰陽(いんよう)のアンバランスが体の不調を招くと考えます。
この陰陽バランスの乱れが妊娠力低下へ導く一例としては
「陰(いん)」の不足 → 卵胞の発育不全
「陽(よう)」の不足 → 着床へ悪影響
などあり、
陰陽のバランスをとる事を重要視しています。

【漢方的妊娠力アップ 漢方薬】

お時間を頂戴して、体質や症状を伺う、基礎体温を拝見するなどしながら、

  • 血を補う
  • からだのエネルギー「気(き)」や血を巡らせる
  • 腎の力を補う
  • 過剰な要素を抑える

などあなたに合った漢方薬を提案いたします。

詳しくはお気軽にお問い合わせください。

秋田の漢方相談がお役に立てれば本当に幸いです。

のぼせ、顔汗が漢方で改善

秋田の漢方、女性のお悩み相談
山王けやき薬品・飯田です。

更年期障害は、
加齢によるエストロゲン(排卵まで増える女性ホルモン)の分泌減少を根本原因とする
不定愁訴(明確な原因がない身体の不調)
心やからだ、本当に様々な症状があらわれます。

 

どうして、私だけ汗が…」

先日ご相談頂きましたお客様は

「とにかくイライラする」

「みんな寒いのに、私だけ暑い…」

「顔からの汗が、気になって、気になって…」

【イライラ】【のぼせ】【顔からの発汗】のお悩みでのご相談でした。

また、「これってやっぱり更年期」ともおっしゃつていましたが
生理も一月に2回来たり、あるいは3か月来なかったりと不順
さらには52歳と言う年齢を考えると
お悩みの原因は更年期によるものと思われます。

【漢方で考える更年期障害】

漢方で考える更年期の原因としては、

加齢による「血(けつ)」や「陰(いん)」の消耗により、余分な熱を冷ますことが出来なくなり、首より上に熱が集まりやすくなり、のぼせ、ほてり、発汗と言った不快な症状が引き起こされると考えます。

また、漢方で更年期は、加齢により、ホルモンや生殖を司る臓腑(ぞうふ)「腎(じん)」の力が衰える事によると考えます。

さらに、『腎(じん)の衰え』を漢方医学の哲学『五行説』で考えると

腎は肝のお母さん

腎は肝をサポートする存在で、加齢による腎の働き低下は、肝の働きも弱くします。
漢方で言う五臓の『肝(かん)』は、ストレスコントロール、メンタルを安定させる働きをしますから、

肝が弱くなる=ストレスに弱くなる=イライラ、クヨクヨ、やる気がおきない

このような流れになりがちに…

【漢方薬でお悩み解決】

そして、こちらのご相談者様には

〇 血を増やし、ホルモンバランスを整える
〇 気の流れ、血の流れを良くする
〇 からだの潤い補う

などの漢方薬をお出ししましたら、一週間ほどで
「のぼせが楽になってきた」
「イライラが減った」
「なにより、顔の汗おさまってきてる」
と喜びのお声。
少しでもお役に立てて良かったです。
 
【イライラ】【のぼせ】【顔からの発汗】などお悩みの症状が、これでもう今後無くなるとは申しませんが

お体を整えながら『女性の難所』更年期を乗り越えましょう。

秋田の漢方相談がお役に立てれば幸いです。

お気軽に相談ください。

PMS 実は漢方の得意分野です

秋田の漢方、女性のお悩み相談
山王けやき薬品・飯田です。

生理前に決まって現れる心身の不調は、月経前症候群・PMSと呼ばれる女性特有のお悩み

・むくみ、めまい、だるさ
・腹部、ムネのハリ
・頭痛、腹痛、腰痛などの痛み
・イライラ、抑うつ、不安

など様々な症状がでます。

そして、実際に相談をお受けすると、多くの女性が月経前症候群・PMSで悩まれておられる事に驚きます。

PMSの原因 諸説あり

PMSの原因は諸説あり、ハッキリとしない部分がありますが、原因の根本は生理前のホルモンバランス変化にあると思われます。

 生理前の大きなホルモン分泌の変化としては、

 卵胞ホルモン(エストロゲン)
黄体ホルモン(プロゲステロン)などの急激な減少があげられ、

更年期障害の根本原因が、エストロゲンの分泌低下であることから、生理前は毎周期おこる小さな更年期とも言えます。

また、PMSの症状で特に【生理前のムネの張りが強い】方の基礎体温は、生理開始後に低温期に移行する場合が多く、

【卵胞 → 黄体化】で分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の減少が遅く、
乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)ともPMSは関係していると思われます。

 病院でのPMSへの対応

PMSの病院での対応としては、お薬をだす治療がメインで、ピルなどを投薬される事もあります。

漢方でのPMSへの対応

漢方では、PMSがおきやすいのは、体に栄養や潤い、ホルモン、熱を全身に届ける『血(けつ)』ならびに、それを動かすエネルギー『気(き)』、その両方の流れが悪い事が原因と考えます。そして、漢方では、『気(き)』や『血(けつ)』などの流れのバランスを調節したり、ストレスコントロールをする臓器を『肝(かん)』と捉えます。


PMSへの漢方対応 
      
・気(き)の流れを良くする → 疏肝理気(そかんりき)の漢方薬
・血(けつ)を補い、ホルモンバランスを整える → 養血調経(ようけつちょうけい)の漢方薬、
・血(けつ)の流れを良くする → 活血(かっけつ)の漢方薬
などの漢方薬を症状や体質に合わせてご提案いたします。

 

月経前症候群・PMSは漢方薬の得意分野
お気軽にご相談ください。

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