ブログ

免疫異常における着床後早期ロス 漢方的視点

昨年受けました、

ベテラン女性中医師の先生の講義

不妊症にある問題として二つの問題

『卵子の質』

『着床後の早期ロス』

について、所属しております学術団体の広報誌に投稿しましたレポートを
ブログを読んでくださる皆様にシェアいたします。

パート1では、卵子の質と漢方的体質 についてブログに書きましたが、

パート2は、着床後早期ロスの問題についてノートをシェアいたします。

 (以下研修会ノートより) ↓

妊娠を難しくしている大きな要因として、着床後の早期ロスも大きな問題。

講義では特に免疫異常における着床後早期ロスについて解説された。

 

流れLows

 

A、免疫過剰反応タイプ

  胎児は父親からの遺伝子という母体にとっては「異物」を持っているが、通常の妊娠ではこれが原因で拒否反応を起こす事は無い。ただ、NK細胞が過剰であったり、母体が免疫過剰になっている場合、拒否反応をおこし流産につながる事がある。

 漢方的体質的として、気陰両虚(きいんりょうきょ)が多く、舌は赤く、舌苔があまり無い。

 漢方薬の対応としては、高温期の漢方服用が重要で、胃腸の調子を整える漢方薬(小腸内の免疫を整える)、免疫調整する漢方薬などで、免疫を整える。

 B、免疫力が弱いタイプ

 母児接点である子宮脱落膜の免疫担当細胞の割合は末梢血とは異なっており,70%がNatural Killer(NK)細胞、20%がマクロファージ、10%がT細胞であり、 NK細胞は末梢血と異なる種類で、子宮 NK 細胞と呼ばれている。

子宮 NK 細胞は、着床期に増加し,妊娠中期,後期に減少し、NK 細胞は絨毛細胞に対して細胞障害活性を示さない。また、母児接点に存在する絨毛外絨毛細胞にはHLA 抗原があり、NK 細胞のキラー細胞抑制レセプターに認識され、NK 細胞からの攻撃から免れている。

 従って、習慣性流産疑われる患者の高温期の子宮内膜には、子宮NK細胞が減少し、末梢血NK細胞が増加している可能性があり、着床時の免疫防衛力が弱いタイプと言える。

 漢方的体質で言うと、気血両虚(きけつりょうきょ)。

 免疫力が弱いタイプの対応も、やはり高温期が重要であり、高温期を安定させて腎の力を強くする漢方薬や免疫を整える漢方薬、血液の量を増やして、ホルモンバランスを調整する漢方薬などを活用すべきとの話で講演は終わった。

分かりにくい記述もあったかもしれませんが、
ご不明の際は、お気軽にお問い合わせください。

秋田の漢方相談がお役にたてれば幸いです。


 

卵子の質と漢方的体質

昨年受けました、

ベテラン女性中医師の先生の講義

不妊症にある問題として二つの問題

『卵子の質』

『着床後の早期ロス』

について、所属しております学術団体の広報誌に投稿しましたレポートを
ブログを読んでくださる皆様にシェアいたします。

お子様をご希望されるにはお役に立てるかもしれませんが、基本的に研修ノートをベースとしておりますので、やや専門用語もございます。

ご不明の点は、お気軽にお問い合わせください。

 

(以下研修会ノートより) ↓

卵子の質の問題

 卵子の質の問題は、卵子の酸化(タンパク質の変性)、卵子の老化(卵子の変化)に起因する。

具体的な変性、変化としては、

  • 透明帯の硬化
  • 細胞膜の硬化
  • ミトコンドリアの老化
  • 染色体異常
  • 細胞質の変性 
    などが考えられている。

 卵の老化

 

 

卵の質の改善方法としては、インターネットなどで様々な方法が喧伝されているが、
そもそも漢方薬は『多くの生薬の複合物』。
一個一個やるよりは、


『漢方薬で総合的にやる方が合理的で効果的』。

 『臨床経験的卵子の質が懸念されるタイプ』について
漢方的体質について分類すると、

A)陽盛陰衰

(B)陰盛陽衰

 が有り、

(A)タイプ


陽盛陰衰とは、すなわち『女性のオス化現象』

  1. 排卵誘発やホルモンの補充を多く受けている
  2. 体格が良い
  3. 舌が赤い

    などの特徴が見られる。

 卵の質を改善するために特に低温期の漢方薬の服用が重要で、


血液の量を増やして、ホルモンバランスを整える漢方薬(土台をつくる)

潤いを補い、腎の力を強くする漢方薬(肝腎陰を補う)

パルミトレインの含有量の果実(抗酸化、卵子の老化を防ぎ、栄養を与え卵の質を高める)

血液の流れ良くして、血管をみずみずしくする漢方薬(活血化お)

などを中心に考えると良い。

特に、パルミトレイン酸は、酸化されにくく、体の隅々まで行き渡り、抹消の毛細血管をしなやかで丈夫にする。お肌の潤いを増やすのは勿論、子宮内膜を潤す、膣室を潤す、オリモノを増やすなど、体の外側から内側までを潤す働きが期待できる。

 

陰盛陽衰は、とても女性らしい。むしろ女性らし過ぎるタイプ。

  1. 肌はきめ細かくキレイ
  2. 目がみずみずしくてキレイ
  3. 声は小鳥のようにカワイイ

陰盛陽衰タイプに合う漢方薬としては、

血液の量を増やして、ホルモンバランスを整える漢方薬(土台をつくる)
身体を温めて、腎の力を強くする漢方薬(腎陽を補う)
ミネラル豊富なサプリメント(肝腎脾に帰経、卵への栄養与え、老化を防ぐ、質を高める)
血液の流れ良くして、血管に弾力をつける漢方薬(活血化お)

を中心に考えるべきである。

 中でも、食用蟻含有サプリメントには18種類のアミノ酸、豊富な微小元素が含有され、特に亜鉛が豊富。亜鉛は『命の花火』とも言われ、体内の70種類以上の酵素がZnを必要とし、新陳代謝、免疫機能向上作用がある。

『着床後の早期ロス』については、
パート2
『着床後早期ロスについての漢方的見解』

をご覧ください。

秋田の漢方相談がお役に立てれば幸いです。
お気軽にご相談ください。

ページトップへ